多くの女性が抱えるバストアップの悩みですが、胸を大きくするためにやているバストアップ方法は世の中にあふれています。

理想のバストに近づくために、エクササイズやマッサージ、矯正下着などを試したことがある人もいるのではないでしょうか。

今回は、そんなバストアップ方法で芸能人の間でも流行っていた豆乳のバストアップについての関係をご紹介します。

「豆乳でバストアップした!」ということはたまに耳にしますが、本当にそれは科学的根拠があるのかどうか、豆乳に含まれるイソフラボンの1日の摂取量目安も含めてみていきましょう。

豆乳のバストアップ効果の科学的根拠

豆乳のバストアップ効果がここまで世の中に出回っているのは、テレビで活躍する芸能人の影響によって、さらにSNSを通じて実践する人が増えたことが1つの原因として挙げられます。

次のように、ツイッター上でも多くの人が豆乳でバストアップを目指していることが分かります。

このように、芸能人や一般人も含めて豆乳はバストアップに効果的、といったツイートが多く見られます。

しかし、結論からいうと、豆乳のバストアップ効果の科学的根拠は残念ながらありません。

豆乳に含まれる大豆イソフラボンに関する研究で明らかになっているのは、豆乳の摂取で乳がんの発生率が下がったとの研究結果が国立研究開発法人「予防研究グループ」によって報告されていることです。

この研究内容は、次のように生活習慣についてのアンケートを調査した内容をもとに分析されました。

  • 地域:岩手県、秋田県、長野県、沖縄県
  • 対象者:40~59歳の女性約2万人
  • イソフラボンの摂取量と女性乳がん発生率との関係

アンケートは豆乳ではなくみそ汁でしたが、同じ大豆製品ということで、次のような結果になっています。

大豆イソフラボン 乳がん

図の縦軸は乳がんのなりやすさで、例えば1日3杯以上みそ汁を飲む人たちで乳がんの発生率が0.6、つまり40%も減少していることが分かっています。

つまり、大豆のイソフラボンは食べれば食べるほど乳がんになりにくいということでした。

ちなみに、乳がんは欧米で多く、アジアで少ないということで、アジアから米国に移住した集団では乳がんが増えたとの報告もあります。

ここからも、大豆を摂取することが乳がんの予防に貢献していることが分かります。

では、この乳がん防止に役立つ大豆を含む豆乳がバストアップに効果があるような説が出回るのでしょうか。

まずは、バストアップの原理から見ていきましょう。

バストアップの原理

そもそも、バストは大胸筋を土台に3つから成り立っています。

  • 乳腺
  • クーパー靭帯
  • 脂肪

乳腺

乳腺は、母乳をつくるさいの分泌組織のことで、「エストロゲン」の作用によって増えていき、「プロゲストロン」の働きで発達していきます。

男性は「テストステロン」というホルモンを多く分泌しますが、女性はこの「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類のホルモンを分泌します。

この中で豆乳と関係しているのが「エストロゲン」です。

「エストロゲン」の本来の役割は、妊娠を成立させるために子宮内膜を増殖させて受精卵のために環境をととのえてくれることにあるほか、次のような働きがあります。

  • 肌の新陳代謝の促進
  • 髪のハリやツヤを保つ
  • 卵巣内の細胞を成熟させて排卵に備える
  • 乳房や正規、皮下脂肪を発育させて、女性らしい身体をつくる
  • コレステロールの増加をおさえる
  • 骨を丈夫にする
  • 生理を定期的に起こす
  • 自律神経を安定させる
  • 脈硬化を防ぐ など

その他に、肌や髪の毛をツヤツヤにしたり、女性らしいふくよかなバストやヒップをつくってくれたりするホルモンでもあります。

別名「美人ホルモン」と言われるくらいで、女性を美しくしてくれる効果があります。

クーパー靭帯

クーパー靭帯とは、乳房をきれいな形に保つために必要な組織で、主成分はコラーゲンです。

要は、バストを垂れないようにハリのある上向きのバストにしているのは、クーパー靭帯のおかげだというわけですね。

クーパー靭帯は乳腺と筋肉、皮膚をつないでいて伸縮性があり、ジョギングなどの運動で靭帯が伸びてしまうと丸みを保つことができず、バストが垂れる原因になってしまいます。

クーパー靭帯は一度伸びたり切れたりするとと修復ができないので、女性はブラをつける時間を長くしたり、激しい運動をしないことなどで予防する方法があります。

ただ、加齢によってコラーゲンが減っていくため、コラーゲンを主成分としているクーパー靭帯はどうしても衰えてしまいますし、妊娠や授乳による影響で伸びる場合もある部分でもあります。

脂肪

バストの9割は脂肪で構成されており、バストアップを目指すならば脂肪をつける、といわれることもあるほどです。

また、発達した乳腺を守るために脂肪がついていって大きくなるわけですね。

女性は思春期頃から女性ホルモンが分泌されるようになって乳腺が発達し、バストが膨らみ始めます。

その乳腺を守るために脂肪がついていくことで、バストが膨らんでいくわけですね。

バストは、遺伝の他にこの思春期の過ごし方によって影響を受け、大人になってからのバストアップは難しいですが可能性はあります。

というわけで、このバストを構成するもののうち、女性らしい身体をつくってくれるエストロゲンの働きが、豆乳に含まれるイソフラボンと似た働きをするとされているために、「豆乳=バストアップ」という説が出回っているわけですね。

豆乳のイソフラボンについて

ご紹介したように、豆乳に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンである「エストロゲン」に似た働きをしてくれ女性の美しさや若々しさを手助けしてくれます。

年齢を重ねるとエストロゲンの分泌量が減少して、心や体のトラブルがみられるようになってきます。

豆乳のイソフラボン含有量

このイソフラボンは、次のように大豆製品に多く含まれています。

食品 イソフラボン含有量
煮豆 昆布豆 30gにつき約11㎎
丹波黒豆 30gにつき約11mg
大豆水煮 30gにつき約13㎎
納豆 1パック 45gにつき約36㎎
1カップ 30gにつき約24㎎
豆乳 調整豆乳 1本200gにつき約41㎎
豆腐 木綿 1丁300gにつき約42㎎
絹ごし 1丁300gにつき約38㎎
厚揚げ 1枚200gにつき約37㎎
薄揚げ 1枚30gにつき薄揚げ12㎎
がんもどき 1個80gにつき約34㎎
きな粉 大さじ2杯につき約19㎎
みそ みそ知る 1杯20gにつき約6㎎

豆乳は1本200gにつき約41㎎と、比較的多く入っていますね。

全体的に見ると和食中心の食生活にしてけば、大豆イソフラボンを知らず知らずに摂取できるイメージですね。

豆乳の種類について

豆乳は、大豆から熱水などでタンパク質やそのほかの成分を溶かし、繊維質を除いて得られた乳状の飲み物のことで、大豆固形分が8%以上のものとされています。

要は、豆乳は大豆をすりつぶして煮詰めた汁を濾過した液状の飲み物というわけですね。

この大豆豆乳液ににがりを加えてかためたものが豆腐なので、食べる場合は豆腐というわけです。

豆乳の商品は、JAS規格(食品や農林水産品などの規格を国が制定したもの)で次の3種類あります。

  1. 豆乳:大豆固形分8%以上
  2. 調整豆乳:大豆固形分6%以上
  3. 果汁系豆乳飲料:大豆固形分2%以上

大豆固形分が多いほど、タンパク質が多いということです。

こう聞くと、無調整豆乳を選ぼうとなりがちですが、カリウムやビタミンなどの他の栄養の面や、飲みやすさなども関係してくるので、好みによって分けるといいですね。

水に浸したり蒸したりした大豆をそのまま絞った豆乳は、無調整豆乳と言われて大豆本来の味を楽しむことが出来ます。

この無調整豆乳に、塩や砂糖などを加えてのみやすくしたものが調整豆乳で、さらにそこに果汁や紅茶などのフレーバーを加えたものが豆乳飲料になります。

豆乳の適切な摂取量について

日本豆乳協会によると、次のように豆乳の1日の適正摂取量は、推奨として200mlを1~3本程度とされています。

豆乳は飲用に際し、一般的な推奨は一日当り200mlを1~3本程度ですが、特に制限はありません。

ただ、通常の飲料と同様に他の食事とのバランスを考え飲用されることをおすすめします。

以前、大豆に含まれるイソフラボンの摂取量について報道がなされたことがありましたが、サプリメントなど特殊な食品が対象で、従来の大豆食品の摂取は問題ないとされています。

また、発がんに関しては、逆に大豆の摂取は乳がんのリスクを低減させるという報告もされています。

お酒もそうですが、飲み過ぎはよくないので、適量を心がけるとよいですね。

乳幼児や妊婦は飲んでも大丈夫なのか

乳幼児には母乳が最適ですが、母乳を補う目的で豆乳を与えるのはアリです。

ただし、生後3ヶ月未満の幼児に与える場合は医師の指導を仰ぐことが大切で、生後5~6ヶ月の幼児には離乳食にあわせて豆乳を与えていくことがよいとされています。

離乳食の場合は2倍位に豆乳を薄めて少しずつ便の状態を見ながら始めるのがよいですが、これも自分の判断ではなく医師のアドバイスをもらった上で行ったほうがよいでしょう。

なぜならば、豆乳はたんぱく質のぶんしが大きく、乳幼児では消化できない場合があるからです。

3歳位までは1回あたり100ml程度、5~6歳の場合は1回あたり200ml程度を目安にすることが良いでしょう。

妊婦の場合は、朝にコップ1杯(200ml程度)の豆乳を目安に飲んでも問題はなく、たまに聞くような「大豆イソフラボンは妊婦に良くない」というような事例や研究結果はなく、安心して飲めます、と日本豆乳協会は明言しています。

このように、豆乳に含まれる大豆イソフラボンは乳幼児から大人まで気軽に飲め、大豆が摂取できるという意味では効果があるようですね。

ただし、『パートナーと考える出産・妊活バイブル』の著者である産婦人科医、吉形玲美先生によれば、豆乳をがぶ飲みするよりは発酵食品のほうが栄養素をバランス良く摂取することができる、とアドバイスしています。

そして、超音波検査や血液検査などを数回受信することで排卵の周期などのホルモン状態を知ることが大切ともおっしゃっています。

検査内容によりますが、超音波検査とホルモン採血で5,000円程度から受診できますので、まずは状態を知る事からはじめるとよいでしょう。

まとめ

  • 豆乳のバストアップ効果は期待できるものではあるが、科学的根拠はない
  • 豆乳の大豆イソフラボンに関する研究では、乳がんの発生率が下がった研究結果がある
  • バストアップの原理は、エストロゲンの働きが関係しており、豆乳の大豆イソフラボンと似ている働きを持つ
  • 豆乳は乳幼児から大人まで飲めるもので、「妊婦はよくない」のような事例や研究結果はない

いかがだったでしょうか。

豆乳に含まれる大豆イソフラボンには、美容効果や乳がんの発生率をおさえるなどの働きが見られ、中にはバストアップをする人もいるようです。

しかし、バストアップはあくまでも「期待」されるにとどまり、科学的根拠はありませんでした。

とはいえ、大豆イソフラボンは適量であれば身体に良い影響を与えることは証明されているので、適量を心がけて飲んでいきたいですね。