かつて将棋といえば高齢な方々の遊びというお堅いイメージでしたが、マンガ「3月のライオン」の大ヒットや2017年に引退した天才棋士と言われた加藤一二三さんの個性的なキャラ、中学生棋士の藤井聡太さんの公式戦史上最多勝利などにより今や大ブームとなっています。

また、棋士のキャラだけでなく、将棋界では当たり前となっている研ぎすまされた集中力や対局後に2~3kg痩せるなどの体重変化について取り上げられることも増えています。そこで今回は、将棋のダイエット効果に注目して、カロリーやメカニズムを交えながらご紹介していきます!

将棋の対局時間やカロリー消費は?

さきほども少し触れましたが、将棋の世界では対局後に体重が2~3kg減ることはよくあり、テレビの密着取材などで棋士が対局後に痩せこける姿を目にしたことがある人も多いと思います。ただ座っているだけに見える将棋ですが、なぜこのようなことが起こるのかを見ていきましょう。

将棋の対局時間

将棋のテレビ中継を見たことがある人はご存知かもしれませんが、将棋はとても長い時間をかけて進みます。今は時間制限がありますがそれでも3~4時間、長いと1~2日かかることもあります。以前は1週間かけていたという説もあり、体力だけでなく精神力も非常に使うスポーツだと言われるのも納得ですよね。

将棋には細かく分けると秒読み時間や考慮時間などがありますが、ざっくり言うと持ち時間の制限があり、大会ごとにルール化されています。持ち時間とは対局に使える時間制限のことで、自分の番のときに減っていき、なくなった場合は即敗北ということになります。

プロの対局では持ち時間が異なり、最も長い持ち時間なのが名人戦で9時間もあるんです。このように長丁場の場合は2日に分けられ、他にも竜王戦や王位戦、王将戦などが2日制を採用しています。プロではない人たちが遊びでやる場合は数十秒から1分程度だと思いますが、ほとんどのプロの棋士たちは持ち時間を使い切り、一手に2~5時間程度かけるときもあるほどです。

相手が次の手を打つまでに数時間もかけるのは、当然その先の先の先・・・とかなり先まで考えているからです。待つ方も相手がこうきたらこうする、ああきたらああする、などと色んなパターンを先読みするので両者ともに相当な神経を使うことが分かります。ただ座っているように見えますが、そこではかなりの攻防が行われているということですね。

将棋のカロリー消費

かなりの神経を使うのは分かったけど、とはいえただ座っているだけだからそこまでカロリー消費はしないのでは?と思う人も多いかもしれません。そこで、研究所の参考値なども合わせて将棋のカロリーをご紹介しましょう。

まず、何もしなくても生命維持のために消費される基礎代謝から見ていきましょう。体重や年齢にもよりますが、おおまかには1日あたり次のようなカロリー消費になります。

  • 成人男性 約1500カロリー(安静時は約1800カロリー)
  • 成人女性 約1200カロリー(安静時は約約1400カロリー)

これに加えて、人間が様々な活動をする際に消費するカロリーを安静時の何倍かを表したものをメッツ(METs)といいます。国立健康・栄養研究所によると、将棋や囲碁などのボードゲームのメッツが1.5(19ページのコード09000)となっています。

国立健康・栄養研究所のメッツ表はこちら

ただし、これは遊びで気楽にやっているときのメッツなので、プロの棋士はかなり深く考えて神経を使っていることからするとメッツは約2前後といえそうです。つまり、このメッツ表を参考にして、基礎代謝分を除いた将棋をやるときの1時間当たりの消費カロリーは、成人男性で約50~90カロリー、成人女性で約40~70カロリーになります。これを基礎代謝分と足した時間当たりにすると、次のようになります。

  • 成人男性 約110~150カロリー
  • 成人女性 約90~120カロリー

これは洗濯物を干したりお皿洗いなどの簡単な家事をやったときと同じくらいのカロリー消費になります。こう聞くと、やっぱり大したことないじゃん!と思うかもしれません。また、プロの棋士じゃない限り将棋に数時間も没頭しつづけることも少ないですよね。しかし、実は将棋のように脳をフル回転させることによって意外な部分でダイエット効果が期待されるんです。

脳を使ってダイエットは可能?

将棋自体のカロリーはそこまで大きくないので、大きなカロリー消費は期待できませんが、間接的にはダイエットをすることは可能です。まずは、集中力を向上させることで脳に起こることについて見ていきましょう。

集中力向上で脳内で起こること

脳を使う、つまり良く考えることは集中力の向上につながり、脳内の血流が高まって摂食中枢が抑えられることになります。摂食中枢とは、脳の中心付近にあって空腹感を起こさせる本体で、満腹中枢とバランスをとることで食欲をコントロールしています。この摂食中枢を刺激することで、「食べ物を食べろ」という信号が出て空腹感を感じます。

どういうときに摂食中枢が刺激されるかというと、ブドウ糖が不足している状態の時です。炭水化物ダイエットや朝食抜きダイエットをすると体内のブドウ糖が不足して、摂食中枢が刺激され続けるので食べ物のことばかり考えるようになり、勉強や仕事などに集中できなくなってしまうので逆効果というわけです。

一方で、しっかり栄養を摂ったうえで脳を使うとこの摂食中枢が抑えられるので、食べることなど忘れるほど集中力が増すというわけです。つまり、集中力が増す将棋をすることで食欲がわきにくくなり、間接的にダイエットになるというわけですね。

ただし、ここで注意したいのがしっかり栄養を摂るといっても満腹にするということではありません。満腹にするとその分の食べ物を消化するために内臓付近に血液が集中してエネルギーを使い、集中力が低くなるという説もあります。空腹時の方が集中力や記憶力が向上するからカフェなどで食べ物は注文せず飲み物だけで勉強や仕事をする人も多く見かけますよね。実際、公益財団法人の東京都医学総合研究所の研究により、次のように空腹状態になると記憶力が上がる仕組みが発見されています。

  • 満腹時は複数回の学習で長期記憶がつくられた
  • 空腹時は1回の学習でも長期記憶がつくられた

空腹状態の記憶力向上の仕組みについての研究内容はこちら

これは、勉強や仕事にも当てはめれば相当効率的にこなせそうですよね。実は、仕事ができる人はこのことを知っているのか、空腹と集中力の関係は年収にも関わっているという面白いデータがアメリカのオンラインメディアであるハフポストの調査で紹介されています。

20代以上の社会人男女約1000名を対象に「お腹が減っていない時と空腹時の集中力の違い」をアンケート調査をした結果、空腹のときのほうが仕事に集中できると答えた人の半分以上が年収1000万円以上だったのです。

年収 割合
300万円未満 24.9%
300~500蔓延 28.7%
500~700万円 33.3%
700~1000万円 39.5%
1000万円以上 51.7%

もちろん、食べた方が集中できると答えた人もいますが、年収が上がるにつれて「空腹のほうが集中できる」人は増えていることから、年収1000万円以上の人の間では常識と言えるのかもしれません。ちなみに、一流の棋士にもなると次のように年収1000万以上を超えていきます。

  • 羽生善治 約1億円
  • 渡辺明  約8,000万円
  • 久保利明 約5,000万円
  • 森内俊之 約3,500万円
  • 丸山忠久 約2,500万円
  • 深浦康一 約2,000万円
  • 木村一基 約2,000万円
  • 三浦弘行 約1,500万円
  • 藤井 猛 約1,000万円

こうして見ると、将棋は座っていてそこまで消費カロリーを使わないように見えるのにもかかわらず一流の棋士はスリムな方が多いですね。集中力と空腹はこうして見ると深い関係がありそうです。一手に数時間もかけて考えて考えて考え抜くわけですから、食欲がわくとなると雑念が入っていることになるのかもしれませんね。

また、将棋だけでなく他のゲームや勉強など寝食を忘れるほどに集中できるものがあれば、間接的にダイエット効果が期待できるということも言えます。ただ、ゲームや勉強のやりすぎでやつれる人もいるので、脳を使って健康的に痩せたいのならば「痩せる脳」をつくることが大切です。

痩せる脳をつくってダイエット

痩せる脳をつくる、ときくとハードルが高いように見えますが、ポイントはストレスを感じていない脳にすることと考え方の基準を変えることです。

ストレスを感じていない脳にする

現代はストレス社会なので、ストレスを皆無にするのは難しいですが、できるだけ脳にストレスをかけないことが大切です。ストレスがかかると、脳が食欲のコントロールを失ってしまいます。食欲は、さきほどご紹介した摂食中枢を刺激することで「食べろ」という信号を出し、満腹中枢が働いて「お腹いっぱい」の信号が出て食べれなくなります。ストレスはこのバランスを崩して麻痺させるため、何を食べても満足できない状態になってしまうわけですね。

ストレスを感じさせなくする鍵は、太陽の光を浴びてセロトニンを増やすことが大切です。セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、ストレスの緩和や心を落ち着かせてくれる効果があります。また、少ない量の食事でもお腹いっぱいになりやすいため、少しでも幸せを感じやすく暴飲暴食もしにくいというわけですね。

日中に外で体を動かして太陽の光を浴びるのはもちろんですが、朝起きて日光を浴びるだけでもこの幸せホルモンの分泌は促進してくれるので、是非やってみてくださいね。

考え方の基準を変える

痩せている人と太っている人の違いは、遺伝的なものや普段の生活習慣が関係してきますが、そもそもの考え方の基準が関係してきます。

例えば、次のような質問でも痩せている人と太っている人では回答が違ってきます。

  • 一日に食べている量は?
  • 飲み物はよく何を飲む?
  • 自分の体重を把握している?
  • 休みの日は何をしている?

こうした体重に関連する質問に自分はどうしているのかを客観的に分析していくわけですね。こうしていくと、必ずどこかに体重が減らない原因があります。また、痩せている人の行動を観察することも大切です。学校やオフィスでは階段をよく使っている、飲み会では〆のラーメンは食べずに帰る、などなど行動の違いが見えてくるはずです。

実際、イギリスの研究者が脳トレゲームを使って意識を変えてダイエットをする実験で、1週間で約1kgのダイエットに成功した例があります。

実験では甘いもの好きの48人に対して1週間に4回程度連続でゲームに取り組んでもらいました。ゲームルールは簡単で、タッチパネルに食べ物や衣類などのアイテムを出現させ、約10分間指でタッチしていくというもの。ただし、カロリーの高いケーキやビスケットなどのアイテムはタッチしてはいけないという内容です。その結果、1週間で48人全員が1週間で平均0.7kg痩せたというから驚きです。

実験の参考サイト(英語)はこちら

甘いものが好きな人が、「ゲームで甘いものは避ける」と意識付けしただけでこれだけ変わったわけですから、いかに意識が大切かが分かりますね。

仕事が忙しすぎて運動など全くできない人にとっては、こういった意識や仕事の効率を上げるために食べ物ではなく飲み物を増やしていくと、徐々に痩せる脳へと変化してダイエットになる可能性があることが分かりました。もちろん、運動を取り入れたいところではありますが、無理をせずにこういったところから変えていくことが大切ですね。

まとめ

今回の内容をまとめると、次のようになります。

  • 将棋の平均対局時間は数時間にも及び、2日に分けられることもしばしば
  • 将棋のカロリー消費は基礎代謝も含めると1時間あたり100カロリー前後
  • 脳を使うことで摂食中枢を抑制して食欲を抑えるという意味では間接的にダイエットになる
  • 空腹と集中力や記憶力との関係は科学的にも解明され始めている
  • 脳へのストレス軽減や意識を変えるだけでも効果が違ってくる

将棋のように頭を使うこと自体のカロリー消費はそこまで多くありませんが、食欲を抑えるという意味では間接的にダイエットに関係することが分かりました。とはいえ、プロの棋士のように仕事で頭を使っている人ばかりではないので、やはり時間が少しでも取れる方は運動をとりいれることが大切です。少し前の大ブームで今や生活の一部になっている人も多い皇居ランでは初心者でも気軽に楽しめるようなイベントもたくさんあるので、是非チェックしてみてくださいね。

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